[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
う宗室を茶会に招き、となれば、それら物資も手に入り易うなるからな」
宗室をもてなす為の茶会でもあるのだと、信長は改めて説いた。
「…左様にございましたか」
ず信長の気まぐれではなく、考えがあってのことだと分かったが、無論 濃姫の不安は消えない。
「どうしても、京で行わなければならないのですか? この安土でなさっても──」
「そなた何を聞いておったのだ。多くの公家衆を招くのじゃ。わざわざこちらへ呼び寄せるより、
備中へく途上に、儂が京へ立ち寄ったほうがはるかに早かろう」
「確かにそうですが…」
「それに通達はもう出しておる。本能寺にて茶会を催すとな」
「 ! 」
濃姫は一瞬 息が止まるような感覚に襲われた。
満面はきつく強張り、の上の両手が思わず震え出す。
今なんと言ったのか?
一瞬のことだったから聞き間違えたのだろうか?【生髮水真的有用嗎?】生髮水副作用如何?為你解答! -
濃姫は動揺を抑え、意を決して訊ねてみる。
「失礼ながら……今、どちらで茶会を催すと申されましたか?」
「京の本能寺じゃ」
その返答に、濃姫の血走った双眼がわっと広がる。
「そちも存じておろう。儂が妙覚寺に次いで宿所としておる、ほれ、堀川の四条近くの──」
「何故でございますか!?」
その、信長の今更な説明を濃姫が鋭くった。
「何故…、いったいどうして…!?」
涙こそ出てはいないが、濃姫は泣きそうな顔をしての夫を見据える。
今 最も聞きたくなかった単語や名称を並べられ、それだけで濃姫はパニックだった。
濃姫の顔には絶望が浮かび、対して信長の顔には当惑が浮かんでいた。
「急に何じゃ。何が “ どうして ” なのだ?」
「畏れながら…本能寺へは──」
濃姫が前のめりになって告げようとした時、ふと、下段の最前に控えていた力丸の姿が目に入った。
座敷にいる他の小姓たちも、何事か?という目で濃姫を見ている。
濃姫は慌てて居住まいを正すと
「力丸殿、それから他の者も、し席を外してたもれ」
「これ、何を勝手にっ」
「良いから下がるのじゃ!」
信長がめようとするのも聞かず、下段の一同を速やかに下がらせた。
力丸らが頭を下げつつ座敷から出て行くと、濃姫は再び信長の方へ向き直り
「以前にお話した “ 夢 ” の話、覚えておられますか?」
と静かに訊ねた。
「夢?」
「の夜にお話した、あの不吉な夢のことでございます」
信長はあさっての方向に視線を向け、記憶の引き出しをに探った。
やがて「ああ…」と無気力な声を立てると、れたような表情で妻を見つめた。
「儂が本能寺にて火にまかれる夢のことか?」
「左様にございます」
「されどあれは、本能寺ではなく総見寺であったと、そなた自身が言うておったではないか」
「間違いだったのです。やはりあの夢は京の本能寺──確信があるのでございます!」
必死に訴えてくる濃姫に、信長は、子供をあやす親のような眼差しを向けた。
「お濃、それはただの夢であろう。深刻に悩む方がどうかしておるぞ」
「ただの夢ではございませぬ! 既に何度も見ているのです。昨夜とて──」
「儂は己がこの目で見たもの以外は信じぬ。いくらそなたの言うことであろうとも、夢は夢じゃ。ではない」
信長はね付けるように言うと
「第一、その夢で儂がどうなると言うのだ?」
「…それは」
「炎の中の儂を見たというが、儂がそこで死する光景でも見たのか?」
信長の問いを受け、濃姫は思わず返答に詰まった。
確かに炎上する本能寺と、炎の中にいる信長の姿は見たが、夢の結末までは濃姫にも分からない。
いつも中途半端なところで目覚めてしまい、炎の中の信長がどうなったか、いつも分からず終いなのだ。
「……いいえ。炎上する寺の中にいる上様のお姿だけ」
ややあって濃姫がかぶりを振ると、「ほれみよ」と信長は笑った。